小林製薬の中川由美執行役員は8日、2024年1~9月期連結決算の記者会見で、同社の「紅麹(べにこうじ)」成分のサプリメントを巡る健康被害を受けて自粛しているテレビコマーシャルなどの広告について、「少なくとも年内の再開はないだろう。来年どこかの時期と考えている」と述べた。
中川氏は、広告自粛の業績への影響について「製品によって、影響を受けているところと、受けないところがあるということを数字から確認している」と説明。
そのうえで、「まず今しないといけないのは(被害の)補償であり、再発防止策の実施。補償にある程度の方向性がみえてきたとき、再発防止策も進んだとき、大丈夫と判断できたら再開する」との認識を示した。
同社はこれまで、新製品について積極的な広告を打つことで、知名度を高めて新市場を開拓するビジネスモデルを構築。紅麹問題でブランドが傷ついたことで、戦略の見直しを迫られている。
中川氏は「広告を止めるのは会社にとって貴重な期間。今までどおりの再開ではなく、広告を効果のある所はやるとか、効果のないところは違うやり方に切り替えるとかを含めて社内で検討している」と説明した。