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万博「レガシー、政財界は早期提示を」 大阪公立大・橋爪紳也教授、「計画性」求める

産経ニュース 2024年8月27日 14時46分

大阪府市の特別顧問として、来年4月に開幕する2025年大阪・関西万博の誘致や計画に携わってきた大阪公立大の橋爪紳也特別教授が27日、大阪市内で講演し、万博によって社会や経済に残されるレガシー(遺産)を巡り「次世代に何を残すのか、ポスト万博の絵を政財界や行政が早期に示すべきだ」と述べた。

橋爪氏は、関西経済同友会の万博レガシー委員会(委員長=南和利・りそな銀行副社長)で講演。レガシーの本質は「10年、20年先にレガシーとなることを見据えて、新たに立ち上げるもの」であるとし、計画性がなく結果的に残ったものとは異なると語った。

結果的に残ったものの具体例として1970年大阪万博の「太陽の塔」を挙げた。太陽の塔は当初は保存する計画ではなかったのに、万博の会期中に閉幕後も会場跡地に残す方向となった。橋爪氏は本来なら計画を立てた上でレガシーとして残すことが望ましいとし、「将来世代に負担になるものがレガシーであってはならない」と強調した。

その上で、25年万博がSDGs(持続可能な開発目標)を軸に据えていることを評価。ソフトのレガシーとして、日本発の次世代のSDGsを示すことや、会場に設置する大屋根(リング)の木造建築の技術を海外に伝えることを提案した。(井上浩平)

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