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滋賀県の米不足、まもなく解消 平和堂などの店頭に極早生品種「ハナエチゼン」

産経ニュース 2024年8月22日 17時8分

全国的な米不足。米どころの滋賀も例外ではない。スーパーの売り場には「欠品が発生しております」とおわびが表示されている。ただ、この状況も間もなく解消される。JAレーク滋賀などによると、23日には極早生(ごくわせ)品種「ハナエチゼン」がスーパーマーケットなどの店頭に並び、「みずかがみ」や「コシヒカリ」の収穫も本格化し、順次、米不足は終息に向かうという。

20日、早場米の産地として知られる滋賀県高島市今津町で、ハナエチゼン27トン(900袋)が初出荷された。JAレーク滋賀今津営農経済センターによると、今月半ばから刈り取りが始まり、収穫は月末まで続く。新米は23日には大手の平和堂(滋賀県彦根市)などスーパーマーケットの店頭に並ぶほか、京阪神にも出荷されるという。

滋賀県みらいの農業振興課によると、温暖化対応品種として県が開発、育成したみずかがみの収穫が始まっており、今週末には本格化する。また、量的にメインとなるコシヒカリの収穫も始まり、滋賀県内の米不足は間もなく解消するとみている。

例年、新米の本格的な出荷シーズンを前に8月は1年で、米の在庫が最も少なくなる時期。今年は好調な訪日外国人旅行(インバウンド)などのほか、今月8日に宮崎県で最大震度6弱を記録した地震に伴う臨時情報(巨大地震注意)の発表もあり、備蓄米確保などで大幅に需要が伸び、急激な在庫の枯渇に陥ったとみられる。

平和堂の担当者は、今回の米不足について、「6月前後ごろから、米の価格などに係る各報道などをみたお客さまの需要が増え、メーカー段階での在庫が減ってきた。また、震災や台風への懸念から需要自体が高まっている」と原因分析したうえで、「今週から滋賀の新米が出始めるので店頭に並び出す。ただ、9月末までは今の状況(米の品薄)が続くと見込まれる」との見通しを話していた。

レトルト米備蓄 地震の備えにも

全国的な米不足となっているが、その原因の一つが今月8日に発生した地震に伴う「南海トラフ臨時情報」だった。「常日頃からレトルトご飯などを備蓄しておくと、今回の米不足のようなときにも慌てないですむ」。日本防災士会滋賀県支部の久保敏彦支部長はアドバイスする。

災害発生時、公的な支援物資などはすぐに届かない。スーパー、コンビニなど店には人が殺到し、商品はすぐになくなる。久保支部長は、1週間程度生きていくのに困らない量の備蓄品があると、慌てなくても済むという。

また、普段からレトルト米などを備蓄している家庭では、今回の米不足をローリングストック(備蓄品の入れ替え)にあてるのもいいという。「あえて品薄のときにする必要はないが、いい機会でもある」と久保支部長は話す。(野瀬吉信)

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