Infoseek 楽天

実写版の有馬かなとMEMちょに驚嘆 イマドキTV+

産経ニュース 2025年1月11日 8時30分

アニメの実写化で成否のカギを握るのはキャスティング。イメージを崩すとか、別の役者がいいとか、異論が出るのも仕方がない。私もたいていはキャラクターへの先入観を少しずつ修正しながら見ている。

だけど、年末にアマゾンプライムビデオで鑑賞した実写版ドラマ「推しの子」(全8話)に登場するキャラ2人、有馬かなとMEMちょには驚かされた。あまりにも違和感がなかったからだ。そんなわけはないけれど、当て書きかと思ったぐらい。

アニメ「推しの子」は小欄でも取り上げたことがあるけれど、同名漫画が原作のいわゆる転生もの。前世の記憶を持ったまま、伝説のアイドル・アイの子供に生まれ変わった双子の兄妹、アクアとルビーが主人公だ。アイがストーカーに殺され、母親に心酔していた2人もやがて芸能界に身を投じて-という物語。

で、ルビーが結成する3人組アイドルグループ「B小町」のメンバーになるのが有馬かなとMEMちょ。有馬は元天才子役でプライドは高め。負けず嫌いの女で毒舌を吐きまくる。実写版で演じているのは、原菜乃華さんだけど、よくもこんなにハマる人を見つけてきたものだ。

繊細で傷つきやすい性格を表現しつつ、マウントを取りに行くとか、ドスを効かせるとか、コミカルな所作でしっかり笑わせてくれる。原さんといえば一昨年の大河ドラマ「どうする家康」の千姫役で、豊臣家存続を嘆願する涙の熱演が記憶に残っているけれど、コメディエンヌとしてもいい味出してるなぁ。

人気ユーチューバーのMEMちょを演じるあのさんも、一度見てしまうと、もう他のキャストを想像できない。似ているというより、雰囲気がそのまんま。天然でちょっとズレている感じとか、今後はアニメを見ても逆にあのさんを連想しそう。

2人のおかげですんなり物語に没入させてもらった。アニメは昨年第2シーズンが放送されて、続編待ちの状態だったが、実写版ドラマはもう少しストーリーが進んでいて、公開中の映画ではさらにその続きまで見られるらしい。

年末に映画も見に行くつもりだったが、家族そろって体調不良で引きこもった。復調してきたし、今年の一本目といきますか。(ライター 篠原知存)

この記事の関連ニュース