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「エンタメで元気に」大阪プロレス、大阪府内の各自治体と相次ぎタッグ 大阪・関西万博での興行も内定

産経ニュース 2024年6月25日 19時19分

大阪発のユニークなプロレス興行を展開する大阪プロレス(大阪市城東区)が、府内の自治体と協定を結ぶ動きを加速させている。自治体と〝タッグ〟を組むことで大阪プロレスの認知度を広げ、「老若男女を問わずに楽しめる日本一のエンタメ」を提供し、府民に元気になってほしいという所属レスラーらの熱い思いが背景にある。

同プロレスは昨年以降、大阪市の3区(北区、城東区、生野区)とそれぞれ協定を締結。今月20日には同市以外で初めての事例として、大阪府松原市と地域活性化や安心・安全など6分野に関する包括連携協定を結んだ。

「ご縁がある市や区と連携を進めたい」。そう語るのは、大阪プロレスでレスラー「ゼウス」としても活躍する大林賢将(けんしょう)社長(42)。新型コロナウイルス禍の令和3年7月、社長に就任し、大阪プロレスとして、企業の経営方針に当たる今後なすべき3つのテーマを掲げた。

具体的には①日本一のエンターテインメントになる②日本一子供たちやファミリー層のファンが多い団体③大阪や日本に貢献する団体-という目標だ。行政とタッグを組む理由は3つのうち最後の目標を実現させる狙いがある。

例えば、大阪市北区では地域の清掃活動や自転車の不法駐輪をやめるよう呼びかける啓発活動に参加。松原市とは今後、市民らがボランティアで参加する形でレスラーとともに街頭でのごみ拾いを行うほか、年末には同市でのプロレス大会の開催を計画する。

両者がタッグを組む縁ができたのも大阪プロレスが昨年5月、同市で開いた大会が盛況だったことだ。それに感動した大林社長が「人のお役に立ちたいので、松原市が元気になるお手伝いをしたい」と声をかけた。プロレス好きを自認する同市の澤井宏文市長(53)にとっても朗報で「レスラーに地域清掃活動のボランティアをやっていただくと、市民も参加しやすくなる」と期待する。

大阪プロレスの魅力は、何といっても大阪ならではの面白さだ。「プロレス好きだけでなく、ファミリー層など誰でも楽しめる」(澤井市長)という。

今後は泉大津市との連携も検討しているほか、府内各自治体との縁を広げる方針だ。かつてのプロ野球球団「大阪近鉄バファローズ」をモチーフにした覆面レスラーのブラックバファローさん(49)は「僕らレスラーが(行政と住民らの)間に入ってボランティア活動をすることでみんなが仲良くなれる」と語る。

大阪プロレスは2025年大阪・関西万博で来年5月6~7日、プロレスを行うことも内定。日本だけでなく、世界の人々にプロレスを見てもらう機会を得た。

大林社長は、大阪プロレスの仕事は「社会貢献。人の役に立ち、人を幸せにする。その対価でお金をもらう」と言い切る。街中でごみを見たら「捨てる側ではなく、拾う側になる。世の中が美しく、元気になる活動をしたい」と意気込む。(西川博明)

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