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ドラマの「聖地」はいつまでも色あせない 全方位ch

産経ニュース 2024年9月7日 9時30分

近々、ぜひ訪れたい場所がある。それは、現在放送中のNHK連続テレビ小説「虎に翼」のロケ地となり、にわかに注目を集めた名古屋市だ。〝推し活〟を愛するミーハー体質のため、過去には何度もロケ地巡りにはまってきた。ドラマを見ているとつい、「このロケ地はどこだ?」と無意識に探ってしまうが、これがなかなか楽しい。

日本初の女性弁護士の一人で、後に裁判官を務めた三淵嘉子(1914~84年)をモデルにした「虎に翼」。未来を切り開いていくヒロイン、寅子(ともこ)の姿に共感を集め私も初回から見続けているが、内容はもちろん、ロケ地にも興味津々だ。寅子が入学した明律大学のある風景が、とあるアーティストのミュージックビデオが撮影された場所と同じだと確信し、序盤から一方的に喜んでいた。

今回、話題になっているのは、名古屋市役所本庁舎と市政資料館で、いずれも国の重要文化財。市役所本庁舎の「北側廊下」は寅子が通った大学の廊下、「中央廊下」は司法省の廊下として登場した。資料館は東京地裁として描かれた。

大理石の階段やステンドグラスなどレトロな雰囲気が人気を集め、市が6月に実施した両施設を巡る「特別ガイドツアー」には、80人の定員に、全国から6600人以上の応募があった。その後も連日の猛暑の中でも、来訪者はちらほら続いているという。

ドラマや映画のロケ地は「聖地」とも呼ばれ、あこがれの地ともなる。

この夏、休暇で北海道を旅した際、昭和56年から放送が始まったドラマシリーズ「北の国から」(フジテレビ)の舞台を訪れた。主人公、黒板五郎と2人の子供たちの成長を描いた話題作。せっかく北海道に来たのだからと、日頃ドラマに特に興味を示さない夫の珍しいリクエストで、ロケで使われた「五郎の石の家」などを見学してきた。

放送当時の思い出話に花が咲く。夫にとっては思い入れのあったドラマなのか、レンタカーの中でも主題歌を流しながら、満足そうにしていた。

とうに放送が終わっても視聴者の心に残り、聖地は色あせない。「虎に翼」は今月末で最終回を迎えるが、「末永く名古屋市の財産をぜひ見てもらえれば」と市の担当者。秋の行楽シーズンにでもゆっくり訪れてみよう。(陽)

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