作家、司馬遼太郎さんの命日「菜の花忌」(2月12日)を前に、大阪府東大阪市の司馬遼太郎記念館で25日、毎年恒例となる菜の花の飾り付けが行われた。司馬さんの生前と変わらぬ状態で保存された書斎前の庭に、ボランティアらが黄色に咲く花の鉢植えを並べた。
司馬さんが菜の花を自宅の庭で育てたことにちなみ、地元自治会や学校など42団体でつくる「春一番に菜の花忌の会」の協力で実施し、今回で21年目。同館に近い近鉄八戸ノ里(やえのさと)駅から河内小阪駅までの道に菜の花のプランター約1700個が順次並べられる。花は3月下旬ごろまで楽しめる。
ボランティアの府立布施高2年、肥塚琉希也(るきや)さん(17)は「菜の花を見ると明るい気分になる」と笑顔。司馬さんの義弟、上村洋行館長(81)は「開花が遅めだが、菜の花忌には春の香りを届けられるような見頃になれば」と話した。