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〝太陽を食べる〟多種多様 知られざるサンゴの生命力  海遊館ダイアリー

産経ニュース 2024年11月17日 11時0分

現在、海遊館ではサンゴの生命力をテーマとした特別展「いのちぐるぐるサンゴ展」を開催中で、サンゴの生体展示をはじめ展示内容や解説パネルにも工夫を凝らし、知られざるサンゴの生命力を最大限に表現しています。

サンゴは約800種類の存在が知られており、浅いところから深いところまで生息するなど多種多様です。サンゴというと枝状やテーブル状の色鮮やかな形を思い浮かべるのではないでしょうか。これらのサンゴはミドリイシサンゴの仲間で、炭酸カルシウムを主とする硬い骨格を持ち、長い年月をかけて壮大な地形(サンゴ礁)を形成することから「造礁サンゴ」と呼ばれます。

また、造礁サンゴには多種多様な生物が生息しているため〝いのちのゆりかご〟とも呼ばれ、その生物種数は約9万種! サンゴを隠れ家にしたり、サンゴを食べたり、さらにはその生物を捕食する生物が暮らすなど、生物多様性を作り上げています。

サンゴは自らプランクトンを捕食して栄養を得るとともに、共生している褐虫藻と呼ばれる藻類が光合成によりうみだしたエネルギーも得ています。そのため、私たち飼育員は〝サンゴは太陽を食べる〟と表現しています。

しかし、海水温が30度を超える期間が続くと褐虫藻がサンゴからいなくなるため、サンゴは十分な栄養を得られず、白くなり死亡します。この現象を「白化」と呼び、近年地球温暖化などによる海水温の上昇からサンゴの大規模な白化が各地で発生しており、生物多様性が損なわれることが懸念されています。

海水温の上昇が落ち着くと、白化した環境に新たなサンゴの命が芽生え、次第に生物が戻ってくることもあるようです。開催中の「いのちぐるぐるサンゴ展」では、サンゴの一生を4分間のストーリーに詰め込んだムービー「サンゴのものがたり」を放映しています。ぜひごらんください。

ところで、サンゴは植物?それとも動物? その答えは「いのちぐるぐるサンゴ展」で解説しています。(魚類担当飼育員 喜屋武樹)

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