女性初の将棋棋士を目指す西山朋佳女流三冠(29)=白玲・女王・女流王将=は17日、大阪府高槻市の関西将棋会館で棋士編入試験五番勝負の第4局に臨み、宮嶋健太四段(25)に勝って通算成績を2勝2敗とし、史上初の女性棋士誕生に王手をかけた。
「最後は悔いのないように」
試験は新人棋士5人と対戦して3勝すれば合格する。第5局は来年1月に予定され、柵木幹太(ませぎ・かんた)四段(26)と対戦する。この日の対局後、西山女流三冠は「とにかく大一番で、泣いても笑っても最後。本局であまりいい手が指せなかったところをしっかり反省して、最後は悔いのないように挑みたい」と語った。
棋士(四段以上)は女流棋士とは別制度で、過去に女性が棋士になったことはない。棋士になるには養成機関である奨励会に入り四段に昇段するか、編入試験の合格が条件となる。現行制度の編入試験受験者は5人目で、女性では福間香奈女流五冠(32)に続き2人目。福間女流五冠以外の3人は合格している。
西山女流三冠は奨励会で三段まで昇段したが、その後に退会し、女流棋士に転向。今回の編入試験は、第1局で高橋佑二郎四段(25)に勝利したものの、第2局で山川泰熙四段(26)、第3局で上野裕寿四段(21)に敗れ、後がなくなっていた。(横山由紀子)