町の変化が激しかった昭和、平成の豊中市を見つめる「トヨナカ写真/マチの肖像」が、大阪大学総合学術博物館(同市)で開かれている。祭りや駅前の風景、千里ニュータウンの建設現場など、市民が記録した懐かしい写真で当時の暮らしを振り返っている。
同市との共催で、1950~2000年の写真約70点を展示。このほか、市広報誌や新聞なども並ぶ。
今では見られない見晴しのいい畑や田んぼの中の一本道を自転車で走る男児は市民から寄せられた写真。人もまばらな阪急豊中駅付近の風景や、服部天神宮の秋祭りでバイクにまたがる法被姿の男衆-なども。
土煙の上がる千里ニュータウンの工事現場の中を子連れで歩く買い物帰りの人たち-の写真に、同館の船越幹央副館長は「キクのようなものを抱えているが、近くの桜井谷という地域はキクの生産地。大阪市内への出荷も盛んだった」と解説する。
写真は年代順に紹介しており、田んぼや丘陵地が広がる町が高度経済成長期を機に急激に開発が進み、住宅が立ち並ぶ都市に変わっていく姿がわかる。
「当時を知る世代、知らない世代が混じる家族や友人らと一緒に見てもらえたら、2倍、3倍楽しめるはず」と船越副館長。当時の郊外都市と共通する変化も感じられるだけに、「市外の人にも見てほしい」と力を込める。
8月17日まで(日祝日と同13~15日は休館)。入場無料。今月27日、8月3日の午後2時から船越副館長が見どころを解説する。問い合わせは同館(06・6850・6284)。