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サボローグッズでアイデア実現 ユニーク商品開発の大阪の大学生、村上千尋さんと木下梨理さん まちかど人間録

産経ニュース 2024年7月14日 14時0分

追手門学院大学(大阪府茨木市)の女子学生2人が、ある人気キャラクターを使ったアイデア商品を送り出し、話題になっている。そのキャラクターは大手学習塾「明光義塾」の「サボロー」。受験生にさまざまな誘惑をささやき、勉強の邪魔をしてくる設定だが、インターネットなどでは「憎めない」「本当はいいキャラクター」などと人気になっている。

そんなサボローの新グッズとして、ペットボトルホルダー「水分サボらんサボロー」が7月下旬から府内全99教室で、塾生に配られるというのだ。

考案したのが、同大ベンチャービジネス研究所などが実施する「第10回追手門グッズコンテスト」で最優秀賞を獲得した経済学部4年、村上千尋さん(21)=兵庫県川西市=と木下梨理さん(21)=大阪市。「最優秀賞になっただけでも驚きなのに、まさか本当に商品化されるとは思いませんでした」と2人は目を丸くした。

昨年5~6月、「サボロー」を世の中に広めるグッズの提案に対し、約100件もの応募が集まった。

経済学部多様社会コースの同じゼミで学ぶ2人は、CMなどでサボローを見て「かわいい」「シュールで親しみやすい」との印象を持っていた。事前に過去のグッズ類をリサーチしたうえで新商品開発に臨んでみると、巻き尺をはじめ、湯水のようにアイデアがわき上がってきたという。

5候補に絞り込んだ中から、「サボローがかばんにぶら下がって、ペットボトルを足で抱えていたら面白い」と、ペットボトルホルダーが浮かび上がった。

書類審査を通過し、最終審査ではプレゼンテーションを行った。日本人の1人あたりの年間ペットボトル消費量が183本にも達するとの調査に着目し、日頃持ち歩くペットボトルをかばんなどにつけることで宣伝効果が期待できると発表した。シンプルで目を引くデザイン性と熱中症対策のグッズとしても利用できることが評価された。

同塾を運営する明光ネットワークジャパン(東京)は、同ホルダーを2500個生産。完成品を見た2人は「貴重な機会をいただけてうれしい」と笑顔を浮かべた。大学側も「ここまで本格的な商品化が実現したことは大きな成果だ」と評価している。

2人とも来年4月には就職を控えているが、今回の受賞を機に「アイデアを社会で実現できるようになりたい」(村上さん)、「商品企画に携わりたい」(木下さん)と大きな夢を描いている。(格清政典)

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