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登山者としての心得嚙みしめる「マウンテンドクター」 全方位ch

産経ニュース 2024年7月20日 9時30分

楽しみにしていたドラマが始まった。山岳医療にスポットを当てた「マウンテンドクター」(月曜午後10時、フジテレビ系)。山登りが大好きなため、ドラマに映る山々の景色を見るだけでも心を躍らせている。同時に、安全に山を楽しむ登山者としての心得を嚙みしめる時間でもある。

物語の舞台は北アルプスの麓にある長野県松本市。「この山頂はあの山だ!」「鮎川山荘として登場する山荘はあそこだな」…。北アルプス界隈の山に登ったことがあれば、ピンとくる人も多いだろう。ロケ地がどこなのか、毎回ワクワクしている。

例えば、1話(8日)の終わりや2話(15日)のオープニングなどに映し出されたのは唐松岳の山頂だ。番組の公式Xなどでもそのロケ地や、撮影現場の様子は明かされている。

ドラマでは壮大な山岳風景とともに滑落事故の現場など、緊迫感あふれる映像も登場する。主演の俳優、杉野遥亮さん演じる青年山岳医が、先輩医師や患者たちとの関わりの中で成長していく物語だ。

遭難者を助けたり、登山道を整備したり。消防や警察はもちろん、山小屋のスタッフや地元のボランティアなど、たくさんの人たちに守られながら私たちは山に登ることができるのだと改めて痛感する。

厳しい天候などへの対応と判断、技術、服装や靴、道具といった装備は万全に。山岳保険などの備えも必要だ。常に謙虚に、絶対に無理はしない。それでもトラブルが起こるのが現実だ。

ヒヤリとした瞬間は過去に何度かあった。中でもグループ登山のメンバーが登山中に熱中症となり、消防に救助していただいた経験は忘れられない。私自身の体調不良で下山時間が遅くなってしまったとき、事情を他の登山者から聞いた地元の遭難対策協議会(遭対協)の方が心配して様子を見に来てくださったこともある。謝罪と感謝の言葉しか出ないのだが、「またぜひ登りに来てくださいね」と声をかけてくださり、どれほど救われた気持ちになったことか。

2千~3千メートル級の高山も、いよいよ夏山シーズンだ。しかし、富士山でも山開き早々、事故は相次いでいる。楽しみとしての登山を命懸けで支えてくださる存在を忘れず、安全登山を心がけたい。(陽)

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