Infoseek 楽天

三山ひろし「円熟した芸を」 愛をテーマに大阪新歌舞伎座で公演

産経ニュース 2024年8月30日 20時30分

歌唱力と舞台映えする愛嬌(あいきょう)で人気の演歌歌手、三山ひろし。これまで人生や夫婦愛を歌ってきたが、今年は女性の激情を歌った新曲「恋…情念」をリリースし、新境地を開いた。大阪新歌舞伎座(大阪市天王寺区)で9月6~23日に臨む特別公演のテーマは、さまざまな形の「愛」。40歳を過ぎ、「円熟した芸の世界を見せられるようになりたい」と語る。

第1部の痛快時代劇「男は愛嬌 お役者新二郎、決死の奮闘記!」は、女形の役者だった過去を隠す飯屋の店主と女房の夫婦愛の物語だ。三山演じる店主は、端々に女性らしい所作がにじむ。「男性と女性では、ふと着物の帯を触るときでも腕の位置や形が違う」。ドラマの時代劇を見ながら女性のしぐさを研究した。

第2部のコンサートでは、夫婦、家族、男女とさまざまな形の愛を歌う。演歌・歌謡ながら「泣けるような弦の音色がほしい」と、バイオリンによるアレンジもあるほか、シャンソンにも初挑戦する。

9月17日で44歳になる。自分の考えが確立する年代になる中、意識しているのはチャレンジを続けること。「芸の世界では常に高みを目指し、深みを増していくことが絶対に必要」と感じている。

3年前に「三山家とさ春」の名で落語家デビューし、昨年は歌と落語を織り交ぜて口演する新ジャンル「落語歌謡」を作った。内にあるのは、「演歌・歌謡をもっと隆盛させたい」という思いだ。

演歌・歌謡と落語、講談、浪曲には共通して、日本人が思う「日本の心」があると感じている。「ハイブリッドで新しいミュージカルのようなものを作れたら、お互いの世界がより情感豊かに広がっていくと思うんです」。夢に満ちた瞳が光った。(藤井沙織)

公演は昼の部午前11時、夜の部午後4時。1階席12,500円(夜の部は11,000円)など。新歌舞伎座テレホン予約センター(06-7730-2222)。

この記事の関連ニュース