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防カメとオートロック、未だゼロの市も…政令市小中校対象に本紙調べ 京阪神ほぼ100%

産経ニュース 2024年6月28日 17時52分

不審者の侵入対策に有効とされるカメラやオートロックシステムといった防犯機器が、全国19政令市の市立小中学校約4千校のうち2割で整備されていないことが28日、産経新聞のアンケートで分かった。児童8人が殺害された23年前の大阪教育大付属池田小事件の記憶が鮮明な関西圏では多くの学校が整備を終えたが、全く進んでいないエリアもあった。子供や職員の命を脅かす事態にどう備えるべきか。改めて行政の危機意識が問われている。

学校に侵入した不審者が子供や職員に危害を加える事件は、後を絶たない。平成13年6月には大阪府池田市の大教大付属池田小で、侵入した男に児童8人が殺害される事件が発生。昨年3月には埼玉県戸田市の中学校に当時17歳の少年が侵入し、教員を切りつける事件が起きた。

産経新聞は、不審者の物理的な侵入防止に有効な防犯カメラとオートロックについて、市立小中学校における令和6年3月末時点での整備状況を、20政令市に尋ねた。

20政令市のうち、「安全上の理由」で回答を拒んだ相模原市を除く19市からの回答を分析したところ、市立小中学校約4千校のうち約2割にあたる約900校で、防犯カメラとオートロックがいずれも未整備だった。

池田小がある関西圏の大阪、京都、神戸のほか、名古屋、さいたま、横浜、札幌、福岡の各市の設置率はほぼ100%だったが、北九州市や岡山市は2割にとどまり、広島市はゼロだった。

文部科学省は不審者の侵入に危機感を強めており、防犯カメラ、オートロック、警察直通の非常通報装置といった防犯機器の整備を加速させる方針を決定。5年度から3年間を「集中支援期間」と位置づけ、自治体側に対する導入コストの補助割合を3分の1から2分の1にかさ上げし、補助下限額を400万円から100万円に引き下げる措置を講じている。(調査報道班)

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