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豊嶋泰嗣さん監督、小さな演奏会の種をまく 10月に京都5市町巡る新たな音楽祭

産経ニュース 2024年9月27日 18時30分

Music Fusion in Kyoto 音楽祭

京都で新しい音楽祭が10月に開催される。宮津や舞鶴、京丹波、長岡京、城陽の5市町に国内外のクラシック音楽家が集まる「Music Fusion in Kyoto 音楽祭」。音楽監督を務めるバイオリニストの豊嶋泰嗣さんは「音楽の魅力を伝えつつ、京都市だけではない京都の街に触れてもらえたら」と語る。

豊嶋さんは今年2月に亡くなった世界的な指揮者、小澤征爾さんと長年の親交があり、新日本フィルハーモニー交響楽団など多数のオーケストラのコンサートマスターを歴任した。

現在は、小澤さんのもとに国内外の一流音楽家が集まったサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)や兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)のコンサートマスターのほか、京都市立芸術大の教授も務めている。

東京出身だが、近年は関西を拠点に活動してきた。東京と関西ではコンサートの数は比べ物にならないほど少ないが、「お客さんから感じる熱は関西の方がずっと高く、盛り上がる」と話す。

ただ、大阪では府内各地にオーケストラがありコンサートが開かれるのに対し、京都府内では「京都市以外でのコンサートが圧倒的に少ない」という。今回の音楽祭では、市外の人に音楽に親しむ機会を作るとともに、外から訪れた人には「音楽をきっかけに、その街の魅力も知ってもらえたら」と話す。

プログラムは会場ごとに趣向を凝らした。宮津市(12日)では、みやづ歴史の館文化ホールのほか、寺院や国の重要文化財、旧三上家住宅など4カ所でコンサートを開催。街を巡りながら音楽を楽しめるようになっている。

舞鶴市(13日、市総合文化会館)では「SPECIAL GALA」と題してクラシックからジャズまでそろえた、多彩なプログラムを構成。京丹波町(14日)では、町役場にある木材を生かした交流ラウンジ「こだち」でプーランクなどの珍しい楽曲を演奏する。

城陽市(14日、文化パルク城陽)ではクラシックの王道ともいえるバッハ、ベートーヴェン、メンデルスゾーンの名曲を披露。最終日の長岡京市(19日、京都府長岡京記念文化会館)では「ベートーヴェン・マラソン」と称して、ベートーヴェンの世界を堪能してもらう。

クラシック音楽が本当の意味で根付くには、「コンサートホールでなくていい。小さな演奏会が身近に日常的にある街が増えることが大切」と説く豊嶋さん。「そのための種まきをしていきたい」と話した。詳細は公式サイト(http://music-fusion.kyoto/)。(藤井沙織)

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