Infoseek 楽天

令和のコメ不足に直面 政府は適切な情報発信を from 大阪社会部

産経ニュース 2024年9月7日 8時0分

《品切れが発生しております。当面の間、お米の販売を『1家族様1点まで』とさせていただきます》

コメの購入制限を呼びかける札に、商品が置かれていない空の棚。8月上旬以降、自宅近所のスーパーで何度も目にしてきた光景だ。最近では店頭にコメが流通していないかと、淡い期待を抱きながら売り場に足を運ぶが、1カ月余りが過ぎた今も「コメ不足」は解消されていない。

コメの品薄は昨夏の猛暑に伴う令和5年産米の生育不足による流通量の減少が主な原因とされる。さらに地震や台風などの災害が今夏に相次ぎ、備蓄のために買いだめをする消費者が増え、コメ不足に追い打ちをかけたとする見方もある。

坂本哲志農林水産相は8月27日の閣議後の記者会見で、新米が同月中に出回るとして「品薄の状況は今後順次、回復していく」と強調した。だが、9月に入ってからもコメが手に入りづらい状況が続いていると感じる消費者は多いはずだ。

需給が逼迫(ひっぱく)しているとして、吉村洋文知事も8月、国に政府備蓄米を市場放出するよう要望。備蓄米について「なぜ倉庫に眠らせるのか」と疑問を呈したが、要望は見送られた。

これまでの対応に善し悪しを評価するつもりはない。ただ、政府には国民の不安を招かぬよう、適切な情報発信に努める責務がある。先行きが見通せる正確な情報-。それこそが一日でも早いコメ不足解消を期待する消費者が求めるものだろう。(宇山友明)

この記事の関連ニュース