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年に1度の東西名流舞踊鑑賞会 上方舞の山村友五郎が流祖振り付けの「五斗三番叟」披露

産経ニュース 2024年10月3日 17時30分

日本舞踊の家元や実力派が年に1度大阪に集う「東西名流舞踊鑑賞会」が12日、国立文楽劇場(大阪市中央区)で行われる。今年は同劇場の開場40周年記念公演。大トリは上方舞山村流六世宗家、山村友五郎で、流祖が振り付けた「五斗三番叟(ごとさんばそう)」を勤める。

山村流は大阪のミナミを本拠とする上方舞の歴史ある流派。上方らしい、はんなりした地唄舞と華やかな歌舞伎舞踊を2本柱とする活動を行っている。

「五斗三番叟」は江戸時代の文政8(1825)年、大坂・角座で、三世中村歌右衛門が勤めて人気を得た。山村流の流祖、初代友五郎が振り付けた歌舞伎舞踊で、現宗家の友五郎は平成26年、自身の襲名の際、北山村舞踊協会に伝わっていた振りを継承した。

歌舞伎「義経腰越状(よしつねこしごえじょう)」のエピソードをもとに、大酒飲みの刀の目貫師、五斗兵衛が禁酒を破って泥酔、酔っ払いながら三番叟を踊る。酔っぱらった態で踊る所作はおおらかで愉快。三番叟を踊る際は、編みがさを烏帽子に見立ててかぶり、衣装も肩衣の片方の肩を抜いて片はずしにして踊る。

「ずっと酔い続けているわけではなく、ところどころ正気になったり、正気に見せようとする箇所がある。その際(きわ)というか、あんばいが踊っていて面白い。踊るたびに違うし、フリーで踊れるところもある」と友五郎。大トリについては、「若い頃、日本を代表するお師匠さん方がたくさん出ていらっしゃって憧れた公演。いい意味の緊張感を持って踊りたい」と語った。

第1部が「四季三葉草」(若柳壽延、若柳佑輝子、若柳吉蔵)▽「正月(まさづき)」(山村光)▽「女伊達」(西川扇蔵ほか)▽「山姥」(井上八千代)。第2部が「珠取海士(たまとりあま)」(吉村古ゆう)▽「文売り」(藤間恵都子)▽「賤機帯(しずはたおび)」(花柳小三郎ほか)▽「五斗三番叟」(山村友五郎)。国立劇場チケットセンター(0570-07-9900)。(亀岡典子)

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