落語家はいろんなところで落語会をしております。ホールでの公演もあれば神社仏閣や公民館、飲食店といった店舗、個人宅など、正方形、長方形の空間であればどこでも公演可能なのです。私は一度L字形の空間で落語をしました。お客さんには姿が見えず、声だけというラジオ型落語会(笑)。
全ての落語会を大事にしておりますが、中でも地域寄席に力を入れております。天満天神繁昌亭など中心部の落語会には行けない、でも近所であれば喜んで行きます、そういう地域での落語公演が、上方落語の認知に大きく貢献するのではないかと考えています。落語家のファンというより、落語のファンを増やすことが大事なような気がします。
地域寄席にお越しいただいた皆さまがお知り合いに宣伝してくださる。ネット社会だけど、「口コミ」の発信力のほうが強いと思うのです。そう確信したのは、10年前に始まった大阪・富田林での地域寄席。最初は50人入ったらいっぱいの会場から始まりました。
それが徐々にキャンセル待ちになり、2回公演になり、地道に続けるとそれでもキャンセル待ちがある。その結果、去年から200人の会場で公演をしています。10年かかりましたが、本当に継続は力なりだと思いました。
独演会の東京公演は今年で10年目を迎えますが、こっちは難しいな(笑)。ノンフィクション落語の最新作と大ネタの「らくだ」を披露します。
第10回笑福亭鉄瓶独演会東京公演
10月19日(土)に「座・高円寺2」(東京都杉並区)にて、午後1時半開演。問い合わせは松竹芸能(06-6258-8085)。