Infoseek 楽天

「シニア」と「女子」がコラボ…生涯スポーツのサッカーをより楽しむために 北川信行の蹴球ノート

産経ニュース 2024年7月23日 11時0分

シニア✕女子の相乗効果で互いの活性化を-。そんな発想で、大阪を拠点に活動し、創立30周年の節目を迎えたシニアチーム「男組」(久松啓次代表)と、関西女子サッカーリーグ2部に所属する「和泉テクノFC」がタッグを組んでユニークな取り組みを始める。生涯スポーツの普及により競技者が増加傾向にあるシニアサッカーと、幅広く人気向上を図りたい女子サッカーのコラボレーション。日本サッカー界の裾野拡大に一石を投じることにつながるかもしれない。

5部相当だが、日本代表候補も所属

男組は、京都大学を中心に大阪・天王寺高校や同・茨木高校、大阪府警のチームに所属していた約50人で設立。市電の京大農学部前駅にあった居酒屋「出世男」が名前の由来で、当時、練習を終えた京都大学サッカー部の部員らがたむろしていたという。創立30周年を迎えた現在も、月2回のペースで例会を開催するなど活発に活動を続けている。

一方、和泉テクノFCは2017年に発足。大阪府南部の和泉市にある工業団地「テクノステージ和泉」が本拠地で、工業団地の入居企業約110社でつくる「テクノステージ和泉まちづくり協議会」が立ち上げた。工業団地の入居企業で働きながらプレーする選手が多く、現在は最高峰のWEリーグから数えて5部に相当する関西女子サッカーリーグの2部で戦うが、将来的ななでしこリーグ入りを目指しており、ろう者(デフ)サッカー女子日本代表候補選手も所属している。

交流イベントや試合運営の補助も

コラボレーションは、男組のメンバーが和泉テクノFCのサポーターとなる形でスタート。和泉テクノFCのサポーターズクラブ内に「グラスルーツコラボサポーター」との項目を設け、男組との結びつきを公式サイトで紹介していく。8月3日に開かれる男組の例会がコラボ記念イベントになるという。

また、和泉テクノFCの選手たちと男組のメンバーが一緒にサッカーボールを蹴る交流会なども計画。男組のメンバーに運営ボランティアとして和泉テクノFCの試合開催を手伝ってもらったり、スポンサーをしてもらったりすることも検討している。

関西女子サッカーリーグ2部の和泉テクノFCは現在、7勝0敗、57得点1失点の驚異的な強さを発揮し、暫定首位に立っている。27年度になでしこリーグ2部へ参入することを目指しており、体制づくりを進めている。

今季から和泉テクノFCのゼネラルマネジャー(GM)に就任した岡野雅夫氏が男組との橋渡し役。男子のJ1、セレッソ大阪の元社長でもある岡野氏は「女子サッカー選手も当然ながら、いつかは引退するときがくる。男子と同じように、その後もサッカーを続けられる環境ができればと思っている。たとえば、男組というチーム名だが、そこで和泉テクノFCの元選手がプレーするようになってもいい。男女ともに末永くサッカーを楽しめるきっかけになれば」と思いを話した。

(サンケイスポーツ編集委員)

この記事の関連ニュース