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米民主党大会、左派が「ガザ」で結集 イスラエル支援停止訴え数千人デモ、ハリス氏に圧力

産経ニュース 2024年8月20日 18時16分

【シカゴ=大内清】11月の米大統領選に向けた民主党の全国大会が開幕した中西部イリノイ州シカゴで19日、パレスチナ自治区ガザ攻撃を続けるイスラエルへの軍事支援停止を求める数千人規模のデモが行われた。民主党候補のハリス副大統領が共和党候補のトランプ前大統領と競り合う中、急進勢力を含む左派は好機とみてハリス氏に中東政策の変更を働きかけてきた。だが19日に採択された党政策綱領にその主張は反映されず、デモ参加者には失望感も漂う。

デモには、アラブ系や反シオニズムを掲げるユダヤ系の団体に加え、反人種差別運動「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切だ)」や労働運動などさまざまな左派勢力が集結した。共産主義団体の旗を掲げる人々や朝鮮戦争終結を訴える団体などもいる。そうした中で数少ない一致点として共有される主張が、「ガザ停戦」実現や「対イスラエル武器禁輸」だ。

デモに参加した社会福祉士のペリー・キングさん(69)は「ガザでのジェノサイド(集団殺害)に米国は加担すべきではない」。別のデモ参加者は「変な連中も混じっているが、声を上げることが大切だ」と語った。

ガザ情勢を巡り、民主党予備選では「支持候補なし」に投票してバイデン政権の姿勢を批判する運動が存在感を示した。全国大会にもこの運動の指導者ら36人が代議員に名を連ねる。

だが、19日に正式採択された綱領はバイデン政権の路線を追認する内容にとどまり、左派が対イスラエル圧力の決定打とみなす軍事支援の見直しなどには触れなかった。

アラブ系米国人団体が7月に行った調査では、ハリス氏へのアラブ系の支持は27%で、5月の前回調査時に7%だったバイデン大統領より大幅に高くなった。トランプ氏の支持は2%にとどまる。

ただ、シカゴ在住のパレスチナ系米国人、ジャマル・イスマイルさんは、この数字は「民主党候補が(ハリス氏に)替わったことによる期待ボーナスだ」と説明。接戦の中西部ミシガン州などに多いアラブ系をハリス氏が取り込めるかは、ガザ停戦協議の成否にかかっていると指摘した。

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