【ワシントン=坂本一之】米大統領選は5日朝(日本時間同日夜)、投票が始まる。民主党候補のハリス副大統領(60)と共和党候補のトランプ前大統領(78)は選挙戦最後の日曜日となった3日、勝敗を大きく左右する接戦州をそれぞれ訪れ、自身への投票を呼びかけた。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が3日公表した接戦7州の世論調査は、両候補の支持率の差がいずれも誤差の範囲内という大接戦が続いている。
ニューヨーク・タイムズが10月24日~11月2日に実施した最新調査の結果は、両候補の支持率が東部ペンシルベニア州と中西部ミシガン州で同率となった。
ハリス氏は西部ネバダ州と中西部ウィスコンシン州、南部のノースカロライナ州、ジョージア州の4州で1~3ポイントリードし、トランプ氏は西部アリゾナ州で4ポイントリードした。ただ、その差は誤差の範囲内。投開票日まで残り2日の時点でも激しく競り合う状況から、勝敗の行方は「不透明」と同紙は指摘した。
NBCニュースによると、郵便投票や投票所での直接投票による期日前投票(3日時点)は全米で約7600万人が実施。過去2番目に多かった2016年大統領選をすでに上回る。
トランプ氏の呼び掛けで共和党支持層の利用が増え、期日前投票した人の内訳は民主党支持層が41%、共和党支持層が39%、その他が20%。
ハリス氏は支持を固められていないとされる黒人男性票や、若者票を伸ばせるかが焦点。トランプ氏は民主党の支持基盤である労働組合票の切り崩しや、バイデン・ハリス政権への批判票を取り込めるかがカギとなる。
トランプ氏は3日、ノースカロライナ州で集会を開き「5日のみんなの投票で、私がインフレを終わらせる」と述べるなどホワイトハウスへの返り咲きを訴えた。一方、ハリス氏はミシガン州の教会で黒人の有権者に勝利への協力を求めた。