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日米経営者 日鉄のUSスチール買収で公正な審査を要求 財界人会議

産経ニュース 2024年10月12日 11時6分

【ワシントン=坂本一之】日米の経営トップが経済課題などを議論する日米財界人会議が11日、米首都ワシントンで2日間の日程を終え閉幕した。日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画に米大統領選の民主、共和両党の候補が反対姿勢を示していることなどを踏まえ、「投資の審査は安全保障の懸念に限定しルールに基づき公正に運用することで透明性を高める」ことを日米両政府に求める共同声明をまとめた。

共同声明は、多国間協力の加速として「質の高いインフラ投資の強化」や「自由で開かれた国際経済秩序の維持・強化」などを日米両政府に提言。USスチールなどの買収案件に関しルールに基づいた審査を重視し、「友好国間のさらなる投資の促進」を求めた。

USスチールを巡っては、今年3月にバイデン米大統領が「国内で所有・運営される米企業であり続けることが不可欠だ」などとする声明を発表。現在、対米外国投資委員会(CFIUS)が安全保障上の問題がないか審査している。

日米財界人会議の米側議長を務める米日経済協議会のダグラス・ピーターソン会長は同日の記者会見で、「日米は不可欠な同盟国であり投資国である。どんな投資も政治化してはならない」との考えを示した。

日本側議長の日米経済協議会の澤田純会長(NTT会長)は「きちんとしたプロセス、ルールに基づいた審査をしていただきたい」と語った。

共同声明ではこの他に、半導体や人工知能(AI)の研究開発に対する支援強化や、インド太平洋地域におけるエネルギー安全保障の取り組み推進なども日米両政府に求めた。

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