【ワシントン=坂本一之】トランプ米大統領は7日、訪米中の石破茂首相とホワイトハウスで会談する。トランプ氏は「米国第一」主義に基づく首脳外交を展開していて、日米首脳会談後の記者会見で日米関係を通した米国の利益拡大についてどう言及するかが注目される。
第1次トランプ政権で駐日米大使を務めた共和党のハガティ上院議員は6日、米シンクタンクで講演し、トランプ氏が日本の防衛力強化を重視するとの見立てを語った。
ハガティ氏は、トランプ氏が石破氏に日本の防衛費を国内総生産(GDP)比3%超に引き上げるよう要求しても「驚かない」と述べた。
トランプ氏は他国との安全保障協力に関する米側の財政的負担を問題視していて、同盟国がより責任を果たすべきだと繰り返し主張している。北大西洋条約機構(NATO)加盟国にはGDP比5%を要求している。
またハガティ氏は、「トランプ氏はより多くの製造業が米国に回帰することを望んでいる」と説明。「日本との貿易赤字は何年も続いている」とも指摘し、トランプ氏が米国における生産拠点拡大への協力や貿易赤字の改善を求めていく可能性を示した。
トランプ氏と石破氏の協力案件として、日本が調達する「ロシア産の液化天然ガス(LNG)を米国産に切り替える機会だ」とし、エネルギー分野の連携推進への期待を語った。
今回の日米首脳会談について外交筋は「これまでの日米関係をベースにしたものになる」と指摘。共同声明も事務的に調整したものが基本となる見込みだ。
トランプ氏は現在、政策発表を各省庁に頼らず自らの口で発信していて、後に高官らが補足するスタイルだ。今後の対日政策を巡っても、トランプ氏の記者会見での説明によって方向性が見えてくることになる。