【ニューヨーク＝平田雄介】１１月の米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領に反発する同党員が民主党候補のハリス副大統領を支援する集会「ハリスのための共和党員」が１３日、オンラインで開かれた。参加した共和党員らは今後、勝敗を左右する激戦州を中心にハリス氏への支持拡大に向けて活動していく考えを示した。
集会は、「トランプ党」化した共和党で行き場を失った党内穏健派や無党派層の支持獲得を目指し、ハリス陣営が組織した。ハリス氏は参加しなかったが、主催者によるとライブ配信の視聴者は７万人を超えた。
集会では共和党のキンジンガー元下院議員ら１２人が演説。トランプ氏を独裁志向の「権威主義者」として批判する声が相次いだ。
キンジンガー氏は、トランプ氏が２０２１年の米議会襲撃事件で支持者を扇動したと非難。事件で収監された受刑者を「英雄」と呼び、大統領に就けば「恩赦を与える」としていることを踏まえ、「そんな国で子供を育てられない」とハリス氏への支持を訴えた。
民主党陣営はバイデン大統領の出馬断念前から、トランプ氏と党候補指名を争ったヘイリー元国連大使の支持層など党内反トランプ派の協力を取り付けようと模索してきた。ただ、ヘイリー氏は党の結束を優先させて本選でのトランプ氏への投票を呼びかけたこともあり、党を超えた集票を目指すハリス陣営の戦略が奏功するかは不透明だ。