米首都ワシントンに隣接するレーガン・ナショナル空港近くで29日、米軍ヘリと空中衝突した小型旅客機が墜落した事故は、発足から間もないトランプ政権に大きな衝撃を与えた。28日に就任したばかりのダフィー運輸長官は連邦航空局(FAA)や運輸省に対し、運輸安全委員会(NTSB)の調査に全面協力するよう指示した。
テレビ各局は、ワシントン市内の定点カメラがとらえた衝突時の映像を放映し、空港周辺の状況やヘリと旅客機の飛行ルートなどを分析。映像では、旅客機が滑走路に進入しようとしたところで大きな閃光が上がった。
現場近くで事故を目撃した男性はCNNテレビの取材に「旅客機は水面の40メートルほど上を飛んでいるようだった。右に90度以上の角度で急旋回したと思ったら(機体の)下から光が上がった」などと証言。「それ以外は真っ暗で、ヘリコプターは見えなかった」という。
ワシントンは1月、猛烈な寒波に見舞われていた。ここ数日はやや寒さがやわらいだものの、NBCテレビによると、機体が墜落したポトマック川の水温は1~2度。墜落現場周辺では救難艇やヘリによる機体や乗客らの捜索が続いた。
妻が旅客機に乗っていたという男性はワシントンのローカル局に「誰かが彼女を川から引き上げてくれていることを祈っている」と語った。(ワシントン 大内清)