【ワシントン=大内清】トランプ次期米大統領は12日、次期政権の中央情報局(CIA)長官にジョン・ラトクリフ前国家情報長官(DNI)を起用すると発表した。
ラトクリフ氏は、テキサス州選出の共和党下院議員だった2020年、対ウクライナ外交での権力乱用などで弾劾訴追を受けたトランプ氏を擁護する論陣を張り、党内での存在感を高めた。トランプ氏からの指名を受けて20年5月に情報機関を統括するDNIに就任。退任後はトランプ氏に近いシンクタンク「米国第一政策研究所」に籍を置いていた。
トランプ氏は12日の声明で、ラトクリフ氏を「米国民への誠実さと真実のための戦士」だと称賛。CIA長官への就任が上院で承認されれば、同一人物がDNIとCIA長官の両ポストを務める初の例となる。
またトランプ氏は同日、移民問題や国境管理を所管する国土安全保障長官に中西部サウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事(52)を指名すると正式に発表した。ノーム氏はトランプ氏への強い忠誠心で知られ、一時は副大統領候補にも名が挙がった。トランプ氏が主張する不法移民の大量拘束・送還を推進するとみられる。