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ガザ停戦協議は15日再開を、米など仲介3国が共同声明 中東情勢緊迫でにじむ焦燥

産経ニュース 2024年8月9日 9時37分

【ワシントン=大内清】パレスチナ自治区ガザを巡る停戦協議で、仲介役のバイデン米大統領とエジプト、カタール両国首脳は8日、共同声明を発表し、イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの双方に15日からの協議再開を呼びかけた。イランやその支援を受ける勢力とイスラエルの軍事的緊張で中東情勢が不安定化する中、停滞するガザ停戦協議の前進を図り緊張の緩和を図る狙いがある。

仲介役の3カ国首脳が協議妥結の見通しも立たない中で「再開」を呼びかけた背景には、イスラエルによるとみられるイラン国内での暗殺作戦でハマス最高指導者が殺害されて停戦協議が暗礁に乗り上げていることや、イランによる報復攻撃などで紛争が一気に広域化しかねないことへの強い危機感と焦燥がある。仲介国側は、1週間の猶予を設けることで切迫した状況を改善する糸口を探りたい考えだ。

声明でバイデン氏とエジプトのシーシー大統領、カタールのタミム首長は「これ以上時間を無駄にすることも(協議を)遅らせる言い訳も許されない」とし、必要なら両者の溝を埋めるための「最終提案を行う用意がある」と表明。15日にエジプト首都カイロかカタール首都ドーハで協議を再開するとした。

ロイター通信によると、イスラエル首相府は9日、交渉団を15日の協議に派遣すると発表した。ただ同国のネタニヤフ首相は、ハマスへの「完全勝利」まで戦闘を継続するとの基本的立場を変えておらず、協議前進につながるかは不透明だ。米政権高官は8日、現在の主眼はあくまで協議再開にあり、「15日に合意が達成されるとは考えていない」と述べた。

6週間の即時停戦や人質解放、イスラエル軍のガザ撤退などからなる3段階の停戦案は、5月末にバイデン氏が公表。6月には国連安全保障理事会が同案を支持する決議を採択した。

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