トランプ氏が勝利した米大統領選で、敗北した民主党のハリス氏について、日本の大手メディアは軒並み「ガラスの天井破れず」などと「ガラスの天井」という言葉と関連づけて報じた。ガラスの天井とは、女性の社会進出を阻む壁のたとえ。一方で、9月の自民党総裁選で高市早苗氏についてこの言葉を使った大手紙朝刊はなかった。
ハリス氏をめぐっては、選挙戦中から「女性の昇進を阻んできた最後の『ガラスの天井』に挑む」などと報道されてきた。投票日の5日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」でも、元同社員の玉川徹氏が「ガラスの天井と言われるが、トランプさんだったら、米国では女性だとだめなのかということになるのではないか」と指摘していた。
トランプ氏の勝利が確実となると、東京新聞は7日付朝刊で《ハリス氏も「ガラスの天井」破れず 「女性だから候補に」偏見なお》と、朝日新聞は8日付朝刊で《ガラスの天井は残った 根強い「男性の仕事」崩せず》との見出しで、それぞれ大きく報じた。
一方、自民党総裁選の際、高市氏の敗因について「ガラスの天井」と関連づけた大手紙朝刊はゼロ。朝日新聞と東京新聞が地方版で立憲民主党衆院議員の関連発言を引用した程度だった。
高市氏については、TBS系「サンデーモーニング」出演者の田中優子・法政大前総長が、衆院選の立民新人候補が参加した集会で「安倍晋三が女装して現れた」「中は男でしょ」などと発言していた。