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バイデン氏、日鉄のUSスチール買収巡る判断先送りか 11月の大統領選後も 米紙報道

産経ニュース 2024年9月14日 7時54分

【ワシントン=坂本一之】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は13日、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画に対するバイデン大統領の判断が11月の大統領選後になる可能性があると報じた。バイデン氏が買収阻止に動くとの見方が出ていたが、民主党内などからの反対を受け、判断をすぐに下さない可能性があるとホワイトハウス関係者が示唆した。

日鉄のUSスチール買収を巡っては、計画を審査している対米外国投資委員会(CFIUS)が安全保障上のリスクを指摘し、バイデン氏が買収を阻止する行政命令を近く判断すると複数の欧米メディアが報じていた。

しかしワシントン・ポストによると、買収阻止の動きに関し、投資家や、USスチールが本社を構える東部ペンシルベニア州の民主党関係者、バイデン氏が重視する労働組合の一部からも懸念が出ているという。関係者の一人は「ホワイトハウスは各方面からの反発に驚いた」と指摘した。

バイデン氏は買収反対の姿勢を維持しているものの、近く阻止を命じる可能性は低く、選挙後まで先送りされることを関係者が示唆している。

ロイター通信によると、CFIUSによる現在の審査期限は23日で、要請があれば90日間の審査延長が認められる可能性がある。延長された場合、審査期限は11月5日の大統領選後となる。

USスチール本社がある同州は、大統領選の結果を左右する接戦州の一つで、買収に反対する全米鉄鋼労働組合(USW)本部もある。

大統領選で民主党候補のハリス副大統領と共和党候補のトランプ前大統領は労組票や労働者票の争奪戦を繰り広げていて、USスチールへの対応を間違えれば、票を失う恐れもある。

USスチール幹部は、日鉄との買収がまとまらなかった場合、ペンシルベニアにある工場の閉鎖や本社移転に踏み切る可能性に言及していた。

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