今回の米大統領選で郵便投票を含む期日前投票を済ませた有権者は、米フロリダ大の調査によると4日午後10時時点で8200万人を超えた。新型コロナウイルスの影響で1億人超が期日前投票を行った2020年の前回大統領選より少ないが、今回は共和党支持者の利用が増えたこともあり、16年の選挙(約4700万人)を大幅に上回った。
有権者登録に基づく党派別集計が可能な26州で期日前投票を終えた4000万人超のうち、民主党支持者が38%、共和党支持者は36%とほぼ拮抗している。接戦7州の場合、南部ジョージア州などで利用者が多く、ノースカロライナ州では共和党支持者の利用が民主党支持者を上回った。
前回の期日前投票は民主党支持者が45%、共和党支持者が31%と、14ポイントの差があった。共和党のトランプ前大統領が「不正につながる」などとして郵便投票に否定的だったためだが、今回は支持者の票を確保するなどの理由で一転して推奨に回ったこともあり、共和党支持者の利用が増えている。
期日前に投票所に足を運んだ人は4400万人超、郵便投票を行った人は3700万人超だった。郵便投票は開票作業に手間がかかるため、大勢判明までに時間を要する可能性も指摘されている。中西部ミシガン州など期日前投票を行った有権者の性別を公表している6州によると、女性(54%)の方が男性(44%)よりも多く利用している。
20年の前回選挙はコロナ禍の最中に行われたことで、全投票者約1億5800万人のうち、7割近くの1億人超が期日前投票を利用した。CNNテレビ(電子版)は、「コロナ禍から脱却した今回は、選挙当日に投票所に向かう有権者も多いだろう」と予測した。(米南部フロリダ州ウエストパームビーチ 本間英士)