【シカゴ＝坂本一之】11月の米大統領選に向けた民主党の党全国大会が19日、中西部イリノイ州シカゴで開幕した。出馬を辞退したバイデン大統領に代わり党の大統領候補となったハリス副大統領（59）を支援するためヒラリー・クリントン元国務長官やバイデン氏らが駆けつけ、結束を呼び掛けた。史上初の女性大統領を目指すハリス氏は、共和党候補のトランプ前大統領（78）打倒へ気勢を上げた。
バイデン氏は19日の日程の〝大トリ〟として演説。ハリス氏は「タフで経験豊富であり、非常に誠実だ」と語り、大統領としての資質が優れていることを強調した。有権者の不満が募る食品高騰への対応や、人工妊娠中絶の権利擁護などを通して「ハリス氏があなたの自由を守る」と訴え、支援を求めた。
またヒラリー氏は演説で、トランプ氏を倒すため「われわれはこれまで以上に努力する必要がある。気を抜いたり、満足したりしてはいけない」と述べ、党員にハリス氏への投票を友人や隣人に呼び掛けるよう求めた。
19日は党の基本的な政策方針をまとめた綱領を採択。副大統領候補のウォルズ・ミネソタ州知事（60）に対し各州の代議員らによる形式的な投票を実施して正式指名を再確認し、支持を内外に示した。ウォルズ氏は21日に指名受諾演説を行う。
最終日の22日に指名受諾演説を行うハリス氏は、バイデン、ヒラリー両氏の演説に先立って、19日に当初の予定にないサプライズ演説で登壇。会場が大歓声で沸く中、出馬を断念したバイデン氏の功績をたたえ、「われわれは団結し、前進する」と必勝を誓った。