950ドル(約14万円)未満の窃盗を軽犯罪とする米西部カリフォルニア州の州法が、大統領選と同時に行われた住民投票で廃止された。店舗での略奪が相次いだ治安状況がトランプ政権で改善されると期待が高まっている。
カリフォルニア州では住民投票で州法を制定できる。2014年に施行された「提案47号」は、窃盗犯を重犯罪者として長期収監するよりも、軽犯罪者として再教育を受けさせる方が合理的だとの考えで制定された。
犯罪であることには変わりないが、「950ドルまでは無罪」とのデマが広がったほか、店員や警備員が身の安全を考えて抵抗しないため、略奪が横行。閉店する店も相次いでいた。
カリフォルニア州は民主党が強く、ハリス副大統領の地元でもあることから、トランプ次期大統領は「窃盗犯は店に電卓を持って行き、いくらか計算している。950ドル未満なら罪に問われないからだ。そうしたのはハリス氏と民主党知事だ」などと批判していた。
今回の住民投票で提案47号の大部分を改正する提案36号が成立。47号を推進してきた公選のロサンゼルス郡地方検事が落選した。
FOXニュースによると、住民組織の役員は「犯罪がようやく違法になったので、カリフォルニアの人々は大いに希望を抱いている」と語った。