【ワシントン＝坂本一之】１１月の米大統領選から撤退した民主党のバイデン大統領の後継を決める同党の候補指名争いで、ハリス副大統領（５９）は２２日、指名獲得に必要な過半数の代議員から支持を得た。バイデン氏が後継として推すハリス氏が、共和党のトランプ前大統領（７８）と戦う民主党候補に指名される見通しとなった。
ハリス氏は２２日、声明を発表し「正式指名を楽しみにしている。トランプを倒す」と述べた。
これに先立ち、ハリス氏は東部デラウェア州の選挙本部を訪れて活動を本格化。選挙戦勝利を掲げてスタッフらを鼓舞した。トランプ氏の過去の性的暴行疑惑を巡る民事訴訟で陪審員が法的責任を認めていると指摘。自身が検事だった経験を踏まえ、「トランプのようなタイプを知っている」と述べ、大統領としての資質を問う批判を展開した。
バイデン氏も電話で参加し「トランプはいまだに米国にとって危険だ」と強調。ハリス氏への全面的な支援を表明した。
民主党内では、ペロシ元下院議長が２２日、自身のＸ（旧ツイッター）でハリス氏が「（大統領選を）勝利に導いてくれることを確信している」と支持を表明した。バイデン氏が撤退した場合の党候補として名前が取り沙汰されていた中西部ミシガン州のウィットマー知事（５２）らもハリス氏を支持している。
今後は１１月５日の大統領選投票日に向けハリス氏と共に戦う副大統領候補選びが、焦点の一つとなる。民主党全国委員会は、８月１９日から中西部シカゴで開かれる全国大会に先立ち、同月７日までに大統領候補を選出する意向を示している。