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米大統領補佐官、南シナ海問題で中国に懸念伝達 習氏と会談 軍制服トップと意思疎通確認

産経ニュース 2024年8月29日 22時53分

【北京=三塚聖平、ワシントン=渡辺浩生】サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は訪中最終日の29日、中国の習近平国家主席と会談した。ロイター通信などによると、記者会見でサリバン氏は、南シナ海で中国がフィリピンの「合法的活動」を妨害しているとして、中国側に懸念を伝達したことを明らかにした。

会談の冒頭、サリバン氏はバイデン米政権が「競争が紛争に転じることがないよう」努力していると強調。米ホワイトハウスの発表によると、会談では、台湾や南シナ海問題、ロシアのウクライナ侵略などが議題となったという。

また、会談では、数週間以内にバイデン米大統領と習氏が電話会談を行うことについても協議された。両者の電話会談が実現すれば4月以来となる。昨年11月以来となる対面会談の可能性も取り沙汰されている。

習氏は、サリバン氏との会談で米側に「互いの発展を挑戦ではなく、チャンスと捉えることを望む」と呼びかけ、協力可能な分野で連携を進める意向を示した。一方で「自らの主権、安全、発展に関する利益を固く守るという立場は変わらない」とも言及し、台湾問題などでは譲歩しない姿勢を改めて強調した。

サリバン氏は29日には中国軍制服組トップの張又侠(ちょう・ゆうきょう)・中央軍事委員会副主席とも会談し、両軍間の定期的な意思疎通の重要性を確認した。

サリバン氏は2021年の就任後初めての訪中。28日までの2日間には、王毅中国共産党政治局員兼外相と戦略対話を実施した。

サリバン氏は戦略対話で、台湾海峡の安定を維持する重要性を強調し、インド太平洋地域の同盟諸国を防衛する決意を改めて主張。ロシアのウクライナ侵略を巡っては、中国がロシアの防衛産業を支援し、欧州の安全保障に影響を及ぼしていると懸念を表明した。

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