【ワシントン＝坂本一之】米国防総省高官は11日、中国との国防対話の枠組み「防衛政策調整対話」を北京で14～15日に開催すると記者団に明らかにした。マイケル・チェイス副次官補が出席し、台湾問題や南シナ海における中国のフィリピンに対する危険行為などに関する懸念を伝える。
高官は記者団に対し「台湾海峡における平和と安定の維持の重要性」を中国側に指摘すると説明。南シナ海でフィリピンの巡視船と中国の海警船が衝突しフィリピン側に負傷者が出ていることを踏まえ、「危険でエスカレートした中国の行為」の自制を求める。
ウクライナ侵略を続けるロシアの防衛産業に対する中国側の支援などについても協議する。また、米中の「衝突」を回避するために国防当局間の対話維持を確認する見込みだ。
防衛政策調整対話はバイデン米大統領と習近平国家主席が昨年11月に再開で合意した国防対話の枠組みの一つで、今年1月に米国防総省で開催しチェイス氏が参加した。
チェイス氏は、北京で12～14日に開かれる多国間の安全保障会議「香山フォーラム」にも参加する。