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トランプ氏が早くも「不正」主張 米大統領選で混乱の恐れ 共和の州高官は信頼呼びかけ

産経ニュース 2024年11月4日 12時14分

【ワシントン=大内清】米国の歴史で「最も接戦」といわれる大統領選の投票日が5日に迫る中、共和党候補のトランプ前大統領(78)が、勝敗を左右する激戦の東部ペンシルベニア州などで「不正が行われている」との主張を強めている。2020年の前回選と同様、トランプ氏は敗北した場合に結果を受け入れない可能性があり、選挙結果を巡る混乱が懸念されている。

「ペンシルベニアでこれまで見たこともないレベルの不正がある」。トランプ氏は10月末、根拠を示さずに自身の交流サイト(SNS)にこう投稿した。各地の支持者集会でも、外国人による不正投票が横行しているなどと主張している。

ペンシルベニアは接戦7州で最も選挙人が多く、ここでの勝敗が大統領選の結果を左右する可能性が高い。

トランプ氏のこうした不正主張に対し、ペンシルベニア州のシュミット州務長官(共和党)は「選挙業務従事者は自由で公正、安全な選挙のために最大限の努力をしている」との声明を出し、制度への信頼を呼びかけている。

外国人による有権者登録は、連邦法で最長5年の禁錮刑や国外追放処分の対象となる。過去の大統領選を調査しているニューヨーク大学ブレナン司法センターは、16年の大統領選で外国人の不正投票が疑われたケースは投票全体の「0・0001%」だったとしている。

トランプ氏は敗れた20年の前回選で「大規模な不正」を主張し、南部ジョージア州などの開票プロセスに干渉した。不正主張を信じた支持者による21年1月の連邦議会襲撃事件につながった。

今回の大統領選を巡っては、トランプ氏が開票結果を待たずに一方的に勝利を宣言する可能性も高い。今回の選挙は結果が判明するまでに数日を要すると見込まれるが、トランプ氏側近のバノン元首席戦略官は10月末、トランプ氏は投票日夜の段階で先制攻撃的に勝利宣言をするべきだと主張した。トランプ氏は前回選でそのように行動し、混乱の引き金となった。

バノン氏は議会襲撃事件を巡る下院特別委員会の召喚状に従わなかった議会侮辱罪で7月に収監され、10月29日に釈放された。

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