【ワシントン=塩原永久】トランプ次期米大統領は26日、米通商代表部(USTR)代表にジェミソン・グリア氏を起用すると発表した。グリア氏はトランプ前政権のUSTRで首席補佐官を務め、対日貿易交渉や強硬な対中政策を主導した当時のライトハイザーUSTR代表を支えた。グリア氏の起用は関税発動を辞さないトランプ次期政権の通商政策を示すものとなる。
トランプ氏は声明で、グリア氏が「不公正な貿易慣行と闘うため中国やそのほかの国々に関税を課した」前政権下で、重要な役割を担ったと指摘。米国の膨大な貿易赤字削減や、製造業の保護、海外市場の開放にグリア氏が注力することになると説明した。
グリア氏は通商弁護士。2020年1月発効の日米貿易協定の交渉にも深くかかわった。
また、トランプ氏は26日の声明で、ホワイトハウスの経済政策の司令塔となる国家経済会議(NEC)の委員長に、エコノミストのケビン・ハセット氏を指名することも明らかにした。
ハセット氏はトランプ前政権で大統領経済諮問委員会(CEA)の委員長を務め、大型税制改正の実現に手腕を発揮した。次期政権下でも減税に意欲を示すトランプ氏の経済政策運営で中心的な役割を担う公算が大きい。