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米大統領選 勝敗占う討論会 ケネディ、レーガン…過去にテレビで勝機引き寄せ

産経ニュース 2024年6月28日 10時58分

11月の大統領選に向けて民主党のバイデン大統領、共和党のトランプ前大統領が27日、テレビ討論会に臨んだ。討論会は無党派票の行方を左右する「大一番」で、過去にも選挙の流れを決定づけてきた。

初のテレビ討論会は、1960年に行われた。共和党のアイゼンハワー大統領の後継者を目指し、民主党のケネディ上院議員とニクソン副大統領が対決した。

ケネディ氏はテレビ映えを計算し、灰色の壁の会場に、光沢ある濃紺スーツで登場した。ニクソン氏は病み上がりだったが、テレビ用化粧を断った。ケネディ氏は日焼けした顔でテレビカメラに視線を向け、有権者に語り掛けた。若々しく、力強いイメージを打ち出し、勝機を引き寄せた。この年、全米のテレビ普及率は88%に達した。

1980年の討論会では、再選を目指した民主党のカーター大統領に共和党のレーガン候補が挑んだ。レーガン氏は討論会の最後に「(投票を)決めるとき、考えてみてください。あなた方の暮らしは4年前と比べ、よくなっただろうか」と有権者に問いかけた。約1週間後の大統領選で勝利した。

痛恨の腕時計

1992年の討論会では、共和党のブッシュ父大統領が大きな失点をした。腕時計を見て時間を確認する姿がテレビに映し出され、「早く終わらないか」と考えているような印象を与えてしまった。再選はかなわず、アーカンソー州知事だった民主党のクリントン候補が勝利した。

2000年には、息子のブッシュ・テキサス州知事が共和党候補となり、民主党のゴア副大統領と対決した。ゴア氏はブッシュ氏の発言に何度もため息をつき、「人を見下している」と批判を浴びた。ブッシュ氏は大統領選で勝利した。

2016年、共和党のトランプ候補と民主党のヒラリー・クリントン上院議員が対決した第1回討論会の視聴者は約8400万人で、過去最多となった。

20年の討論会は、共和党現職だったトランプ大統領、民主党のバイデン前副大統領が対決した。発言妨害と中傷が飛び交い、「最も醜悪な闘い」と評された。討論会は当初、3回行われる予定だったが、トランプ氏の新型コロナウイルス感染で2回となった。

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