米南部ルイジアナ州ニューオーリンズで群衆に車が突っ込んだ事件で、容疑者の男はイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)に感化されたとみられている。自動車を用いたテロはこれまでもISやその関連組織などが繰り返し行っており、〝十八番〟ともいえる手段だ。
「車は多くの犠牲者を出す能力がある」
「容易に入手できるが、ナイフと違って所有していても疑惑を抱かせない」
公安調査庁の「国際テロリズム要覧」によると、同庁が入手したIS機関誌にはこうした記載があったという。
実際、ISやその関連組織、その影響下にある個人が大型車で群衆を襲撃する事件は過去に頻発。中東やアフリカでは自爆を含め爆発物や銃を用いるケースが多いが、車を使ったテロは欧米で起きる傾向にある。
2016年7月には、フランス南部ニースで花火大会の見物客にトラックが突っ込み、86人が死亡。同年12月にもISに忠誠を誓う男がベルリン中心部のクリスマス市場にトラックで突っ込み、12人が犠牲になった。
米国でも、17年10月にニューヨーク・マンハッタンで8人が死亡、11人が負傷するテロが発生している。