【ニューヨーク＝本間英士】米西部カリフォルニア州ロサンゼルスや近郊で続く山火事で、地元当局は12日、死者が8人増えて計24人になったと明らかにした。ほかにも行方不明者がいるとみられ、地元当局は犠牲者がさらに増える可能性を示した。現地の気象予報では15日まで強風が予測され、さらなる山火事拡大も警戒されている。
7日以降続く山火事の被害の大半は、西部の高級住宅街パシフィックパリセーズと北部近郊のアルタデナに集中。12日朝までに鎮火できたのはパシフィックパリセーズで11％、アルタデナでは27％にとどまっている。
米メディアによると、12日時点で10万人以上が避難命令の対象になっており、一部地域では夜間外出禁止令も出ている。出火元の可能性の一つとして、地元当局が送電塔の周辺を調査しているという。
被災地周辺では火事場泥棒などの被害も発生。地元当局は夜間外出禁止令違反や略奪行為の疑いなどで、29人を逮捕したと公表した。消防隊員になりすました住居侵入事件もあったという。
被害拡大を受け、隣国のカナダとメキシコは12日までに消防隊の派遣を相次いで発表。ウクライナのゼレンスキー大統領も「ウクライナは米国民の人命救助を支援できる」として、消防隊の派遣準備を進めていることをX（旧ツイッター）で明らかにした。