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米議会がトランプ政権の人事審査開始 国防長官候補「同盟国や友好国と中国の侵略抑止」

産経ニュース 2025年1月15日 11時19分

【ワシントン=坂本一之】トランプ次期米大統領(共和党)が指名した閣僚や高官の承認に向けた公聴会が14日、上院で始まった。上院軍事委員会は国防長官候補のヘグセス氏の公聴会を開き、同氏は「同盟国や友好国と協力しインド太平洋地域で中国の侵略を抑止する」と述べた。ロシアによるウクライナ侵略への具体的な対応の説明は避けた。

ヘグセス氏は公聴会で、「抑止力を再構築する」と語り、米国の防衛とともに対中抑止を掲げた。「責任を持って戦争を終わらせ、より大きな脅威に方向転換する」とも語った。

ウクライナ問題への対応を問われると、「大統領レベルの政策決定だ」と説明。「トランプ氏は紛争終結を望んでいることを明確にしている」などと述べるにとどめた。

民主党議員は、メディアに報じられた過去の性的暴行疑惑や、「女性は戦闘任務に就けるべきではない」と主張していたことなどを追及した。

ヘグセス氏は性的暴行疑惑に関し「不当な主張だ」と反論。米軍における女性の任務に関しては「素晴らしい貢献」をしていると語り、一定の基準の中で「女性は戦闘任務に就くことができる」と述べ、発言の軌道修正を図った。

米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長を解任するかを問われると、「全ての上級士官」は能力や命令への対応などさまざまな基準で審査されると説明し、可能性を否定しなかった。

上院の多数派を握る共和党は20日のトランプ次期政権発足に合わせ、できるだけ多くの閣僚人事を承認する考え。ただ、国家情報長官候補で元民主党下院議員のギャバード氏を巡っては民主、共和両党から懸念が出ており、スムーズに承認されるかは不透明だ。

政権を円滑に発足させたいトランプ氏は8日、議会を訪れて上院共和党と会談し、迅速な人事承認に向けて意思疎通を図っていた。上院では15日に国務長官候補のルビオ氏や中央情報局(CIA)長官候補のラトクリフ氏らの公聴会を開く。

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