【ワシントン＝坂本一之】米国のAP通信は11日、トランプ大統領がメキシコ湾の名称を「アメリカ湾」に改称した後もメキシコ湾との表記で報道していたため、ホワイトハウスから大統領執務室での記者の取材を禁止されたと明らかにした。
トランプ氏は1月20日の就任式の演説で名称をアメリカ湾に変更すると表明し、同日に大統領令に署名していた。
AP通信は、大統領令は米国内でのみ有効だとし、「世界にニュースを発信する通信社として全ての読者が地名を簡単に認識できるようにする必要がある」とし、メキシコ湾の名称を継続して使う方針を示している。
AP通信のペース編集局長は、トランプ政権の対応は受け入れられないとして声明を発表し「ニュースへの国民のアクセスを妨げ、（言論の自由を保障する）憲法修正第1条に違反する」と批判した。
ホワイトハウス記者会も声明を出し、「ホワイトハウスは報道機関がニュースをどのように報じるかについて決定する権限はない」として、AP通信に対する措置の撤回を求めた。