【ワシントン=坂本一之】米大統領選は5日、投開票が行われ、米CNNテレビは民主党候補のハリス副大統領(60)が東部バーモント州などで勝利を確実にしたと報じた。共和党候補のトランプ前大統領(78)も南部ケンタッキー州や中西部インディアナ州などを押さえた。ハリス氏が当選すれば女性、アジア系として初の大統領が誕生。トランプ氏が制すれば、4年ぶりにホワイトハウスを奪還することになる。
両候補は民主党、共和党がそれぞれ地盤とする州を制している。勝敗の行方は、激しく争ってきた東部ペンシルベニア州や中西部ミシガン州など接戦7州が左右する。郵便投票や投票所での直接投票による期日前投票は、全米で8500万人を超えた。
大統領選は総得票数ではなく、人口に基づき各州と首都ワシントンに割り当てられた大統領選挙人(計538人)の過半数270人を獲得した候補が当選する。
CNNテレビによると、5日午後8時(日本時間6日午前10時)過ぎ現在で、ハリス氏は27人、トランプ氏が90人の選挙人を確保した。
トランプ氏は5日、私邸のある南部フロリダ州で投票し「最高の選挙活動だった」と振り返り「非常に自信を持っている」と語った。ハリス氏は首都ワシントンの民主党全国委員会本部を訪問。電話で有権者に支持を訴えるボランティアらを激励した。
選挙戦で、ハリス氏は人工妊娠中絶の権利擁護を訴え、トランプ氏によって民主主義が脅かされると主張してきた。
トランプ氏はインフレや不法移民問題などでバイデン・ハリス政権の責任を追及し、政権交代を呼び掛けた。
開票・集計作業を巡っては、一部の州で郵便投票に関して時間を要するとみられ、票差の少ない接戦となった場合には勝者の判明に数日かかる可能性がある。