【ワシントン=大内清】バイデン米大統領は14日、キューバに対する「テロ支援国家」指定を解除する考えを議会に通知した。第1次トランプ政権が2021年1月に行った再指定を覆すもので、今月20日に迫った自身の退任と第2次トランプ政権の発足を前に外交成果を残す狙いがある。
第2次トランプ政権で国務長官に指名されているルビオ上院議員は対キューバ強硬派として知られ、就任後にバイデン氏の融和路線を再び転換する可能性がある。
キューバを巡っては、オバマ元政権が2015年、1982年から続いていたテロ支援国家指定を解除し、54年ぶりに国交を回復。しかし、第1次トランプ政権のポンペオ国務長官が退任直前の21年1月、コロンビアの左翼ゲリラ幹部の引き渡しを拒否していることなどを理由にテロ支援国家に再指定した。
再び指定を解除する今回の決定について、米政府高官はローマ教皇庁(バチカン)の働きかけで政治犯の釈放など人権面での改善が見込まれることなどを挙げた。
米国はほかに北朝鮮、イラン、シリアをテロ支援国家に指定している。