【ワシントン=大内清】5日の米大統領選と同日に行われる連邦議会の上下両院選の結果は、次期大統領の政権運営に大きく影響する。民主党候補のハリス副大統領(60)と共和党候補のトランプ前大統領(78)が支持率で拮抗する大統領選と同様、両院とも民主、共和いずれの党が制するか予断を許さない接戦が続いている。
閣僚人事などの承認権限を持つ上院(任期6年、定数100)の現有議席は、民主党系が51議席、共和党が49議席。今回の選挙では34議席が改選される。
CNNテレビの情勢分析によると、民主から離党し不出馬を表明したジョー・マンチン上院議員(ウェストバージニア州)の議席を共和党が奪う可能性が高い。一方で、3選は盤石とみられていた共和党のテッド・クルーズ上院議員(テキサス州)が、元米プロフットボール(NFL)選手の民主党候補、コリン・オールレッド氏の猛追を受けるなど、激しい競り合いが続く。
民主、共和のいずれが多数党となる場合でも、少数党の議事妨害(フィリバスター)を回避できる60議席に届くことはない見込みで、次期政権は法案通過などで野党に一定の譲歩が必要となりそうだ。
現在は共和党が僅差で多数派を握る下院(任期2年、定数435)も接戦だ。これまでに共和党は212選挙区で、民主党は208選挙区で優勢とみられており、いずれの党が過半数(218)を得るかは激戦となっている15選挙区の結果次第となる公算が大きい。
激戦区の一つである西部ワシントン州の選挙区では最近、市街に設置された投票箱が放火され投票用紙数百枚が焼ける事件が発生。選挙妨害を狙った犯行とみられ、投票日が近づく中でさらなる混乱が懸念されている。