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共和党の「赤」に染まるワシントン、米各地からトランプ支持者集結「今こそ米国復活の時」

産経ニュース 2025年1月20日 13時57分

【ワシントン=本間英士】トランプ次期米大統領の就任式を控え、首都ワシントンでは19日、トランプ氏の「首都凱旋」を見届けるために全米各地から熱心な支持者が詰めかけた。多くの人々が共和党のイメージカラーである赤い服や、トランプ氏のスローガン「MAGA(米国を再び偉大に)」が記された帽子を着用。普段は民主党支持者が多数を占める首都を赤く染めた。

「USA!」連呼

ワシントンは、民主党が圧倒的に強い全米有数の「反トランプ」都市であり、普段は「MAGA」の文字をめったに見かけることがない。だがこの日は、冷たい雨が雪へと変わる悪天候にもかかわらず、屋内競技場で開かれたトランプ氏の支持者集会に参加するため、会場の外では多くの人々が数キロにわたる長蛇の列を作っていた。

会場周辺ではトランプ氏の選挙集会でおなじみの「Y.M.C.A.」などの歌が響き渡り、興奮した人々が「USA!」コールを連呼。独特の熱気を帯びていた。

「4年間、トランプ氏がワシントンに帰ってくる日を待ち望んでいた。今こそ米国復活の時だ」

南部バージニア州の整備士、アンドリュー・エプラーさん(33)は顔を紅潮させて喜んだ。

エプラーさんが新政権に望むのは治安対策だとい、「バイデン政権は国内の治安維持をないがしろにしてきた。多過ぎる不法移民の対策も絶対に必要だ」と述べた。また、パレスチナ自治区ガザでの停戦合意は「完全にトランプ氏の功績だ」と主張。トランプ氏の就任によって「中国やロシアは今後うかつな行動を取れなくなるだろう」と期待を寄せた。

首都は厳戒態勢

中西部ミズーリ州から駆けつけたバーテンダーのエイミー・マクラウドさん(44)は「この4年で物価は上がり続け、卵1パックが8ドル(約1300円)になった。普通の米国民の生活は苦しい」と強調。「1期目(2017~21年)のように、トランプ氏が米経済を上向かせると信じている」と語った。

トランプ氏が複数回暗殺対象になったことや、1日に南部ニューオーリンズで車が暴走し14人が死亡したテロ事件があったことから、就任式の数日前からワシントンでは厳戒態勢が敷かれた。中心部では道路規制が行われ、警察官や州兵ら約2万5千人が動員されるなど、ものものしい雰囲気に包まれた。

一方、18日にはトランプ氏の就任に反対する抗議集会がワシントンのリンカーン記念堂で開催。米紙ワシントン・ポストなどによると、数千人の参加者が女性やLGBTQ(性的少数者)の権利擁護を訴え、「民主主義を守れ」などと叫びながら行進した。

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