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「われわれが決める」米大統領選、バイデン氏の撤退拒否巡りジル夫人が批判の矢面に 

産経ニュース 2024年7月5日 11時46分

米大統領選を巡ってバイデン大統領(81)への撤退圧力が強まる中、ジル・バイデン夫人(73)への逆風が強まっている。大統領に撤退を決断させられるのは「ジルさんしかいない」という見方が背景にあるが、選挙戦の続行を訴え続けているからだ。ジルさんが撤退のカギを握る「最重要人物」と指摘する声もある。

討論会も称賛

ジルさんに対する批判は、ファッション誌ヴォーグ最新号の表紙に登場したことで表面化した。バイデン氏が6月27日、テレビ討論会で衰えを見せた直後だった。

ジルさんは米ブランド「ラルフローレン」の白いタキシード風ドレスでポーズを決め、「われわれの未来は、われわれが決める」という言葉が添えられていた。誌面では「(討論会の)90分で大統領の4年間の成果を決めさせはしない。われわれは戦う」という発言も報じられた。

SNSでは「国の未来を決めるのは国民。大統領の家族ではない」「ファーストレディでいたいのか」などの批判が出た。27日の討論会後、ジルさんがバイデン氏を「ジョー、すばらしかった。あなたはすべての質問に答えた。何でも知っている」と称えたことも注目され、「まるで幼児を扱うよう」だと指摘された。

決断へ「最重要人物」

ジルさんは元高校教師でバイデン氏の2人目の妻。バイデン氏が最初の妻と長女を交通事故で失った後、結婚した。バイデン氏は長男にも病気で先立たれ、家庭の不幸が続く中でジルさんが精神的に支えた。バイデン氏が回想録で「彼女は私に人生を取り戻してくれた」と記すほど、頼りにする存在だ。

それだけに、大統領の撤退決断を阻んでいるのはジルさんだという見方が広がる。3日付米紙ウォールストリート・ジャーナルは、「ジル・バイデンさん、あなたの国を第一に考えよ」と題した論説を掲載した。筆者は政治コラムニストのウィリアム・ガルストン氏で、「夫人は歴史を作る力を持つ。賢明に使って欲しい」と訴えた。ニューヨーク・タイムズ紙も、バイデン氏が撤退を決めるか否かをめぐっては「ジルさんが最重要な人物」だと報じた。(三井美奈)

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