【ワシントン=本間英士】米首都ワシントンの連邦議会議事堂で20日に行われたトランプ大統領の就任式には、メラニア夫人らトランプファミリーや新政権の閣僚、トランプ氏に近い各国首脳らが出席した。異彩を放っていたのが、トランプ氏の斜め後方でファミリーや閣僚が並ぶ「特等席」(米メディア)に座っていた米IT企業大手のトップたちだった。
中でもトランプ氏と近く、目立つ席に座っていたのは、X(旧ツイッター)などを率いる実業家イーロン・マスク氏。すぐ近くにはグーグルのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)、アマゾン・コム創業者のジェフ・ベゾス氏、メタのマーク・ザッカーバーグCEOらも席を並べた。
米議会紙ヒル(電子版)は、これらIT大手がトランプ氏陣営に巨額の献金を行ったことが「特等席に座る理由だ」と伝えた。米紙ワシントン・ポスト(同)によると、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の周受資CEOも少し離れた席で参加していたという。
就任式にはイタリアのメローニ首相やアルゼンチンのミレイ大統領ら、トランプ氏との関係が良好な一部首脳も臨席。米大統領の就任式には各国の駐米大使が出席するのが慣例で、首脳自ら参加するのは異例だ。日本の岩屋毅外相や、中国の韓正(かんせい)国家副主席も出席した。
就任式は当初屋外で予定されていたが、厳しい寒さのため議会議事堂の屋内の円形広間に変更された。厳寒を理由に屋内で開かれるのは、1985年のレーガン大統領以来で40年ぶり。