【ワシントン=坂本一之】キャンベル米国務副長官は18日、シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)がワシントンで開いた日米同盟に関するイベントで演説し、次期米大統領に対して安全保障協力に加えて経済安全保障や商業的な連携を深めて日米関係を強化していくことを求めた。
キャンベル氏は11月に米大統領選があることを踏まえ、「日米関係は防衛や安全保障だけでは維持できないことをより認識する必要がある」と指摘。サプライチェーン(供給網)の構築、半導体や人工知能(AI)といった先端技術に関する取り組みを共に推進する重要性を訴えた。
防衛協力では、在日米軍が部隊運用に権限を持つ統合軍司令部を新設し、自衛隊との部隊連携を円滑化する日米の取り組みを「画期的だ」と高く評価。日米間で機密性の高い情報の共有や分析が進むよう枠組みを改善していく必要性を指摘した。
イベントにはアーミテージ元国務副長官やエマニュエル駐日大使、加藤良三元駐米大使や谷内正太郎元国家安全保障局長らも参加した。
谷内氏は、南シナ海や東シナ海で高圧的な海洋進出を図る中国の姿勢について「より攻撃的になっている」と指摘。「中国は覇権を狙っている」と述べ、日米が連携して対処していく重要性を強調した。