【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領は10日、鉄鋼とアルミニウムの輸入品に25%の関税を課す布告に署名した。米メディアが伝えた。トランプ氏は同日、記者団に「例外、免除なしの25%だ」と指摘。日本も対象に含まれる可能性がある。トランプ氏は関税措置の対象を自動車や半導体、医薬品などにも広げる可能性を示唆した。
全世界からの輸入品に高関税を課せば、貿易相手からの報復措置を招き、激しい貿易摩擦となる恐れがある。供給網(サプライチェーン)が混乱し、鉄鋼やアルミを使う米国メーカーが反発するほか、米国で事業展開する日本企業にも影響が及ぶ公算が大きい。
トランプ氏はホワイトハウスで「鉄鋼とアルミは外国の地ではなく、米国で製造されなければならない」と語った。米国で生産すれば無関税だと述べ、工場を海外から米国に移すよう迫った。
第1次トランプ政権は2018年3月、鉄鋼・アルミの大量流入が安全保障上の脅威に相当するとし、鉄鋼に25%、アルミに10%の追加関税を課した。欧州連合(EU)などは、米国の名産品に報復関税をかけて対抗。日本の鉄鋼を巡っては、バイデン前政権が22年4月、一定量の無関税枠を設けた。
トランプ氏は10日、記者団に対し、貿易相手からの対抗措置は「気にしない」と述べた。